こんにちは!
Wurly's!スタッフのヤナギダです。
本日より「Wurlitzerのいろは」を連載していきます。
なかなか文献や情報が少ないWurlitzerのモデルの変遷、アクション構造、アーティストを
どんどんと紐解いていこうと思います。
第一回目となる本日のテーマは「Portable Modelの変遷」です。
まず、
Wurlitzerは大きく分けて3つのタイプに分けることができます。
・Portable Model(ポータブル・モデル)
⇒おそらく皆様が一番お目にかかる機会が多いモデルなのではないでしょうか。
・Console Model(コンソール・モデル)
⇒スチューデントモデルとも呼ばれています。
・Spinet Model(スピネット・モデル)
⇒アップライト型のエレクトリック・ピアノです。
本日は「portable Model」について語っていきたいと思います。
Model 100 Series
Wurlitzer Electronic Pianoの第一号モデルが登場したのは1955年、EP-100でした。その同年、アップグレード・モデルとしてEP-110、111、112が登場。
パーティクルボードにより形作られたボディに真空管によるアンプ回路とスピーカー(背面に1基)、そしてトレモロ・エフェクター(最初期を除く)。電源スイッチを兼ねたボリューム・ノブと、Speedが固定されDepthのみコントロールが可能なトレモロ・ノブ。スペックを記していくと、後に登場するEP-200 / 200Aにも通じる部分が数多く存在しています。Wurlitzer Electronic Piano は登場時からそのコンセプトをすでに確立していたのかもしれません。
その後も研究と改良は続けられました。そして1962年、アンプ回路が真空管からトランジスタ式に進化を遂げたEP-140Bが登場。さらに同年には真空管を使用したEP-145が登場するなどモデルの変遷を見ていくことでその進化と試行錯誤を感じることができます。
Wurlitzer Electronic Piano EP-100
Wurlitzer Electronic Piano EP-140B
Model 200 Series
様々な進化を遂げてきたWurlitzer Electronic Pianoに革命的なモデルが誕生したのは1968年。皆様がご存知のEP-200の登場です。
プラスティック製のボディ、前面に配置された2基のスピーカー、約30kgと軽量に成功した本体…今までのWurlitzer Electronic Pianoのイメージを一新するようなこのモデルです。さらに特徴な点として、カラーバリエーションです。一般的なブラックをはじめ、ダーク・グリーン、フォレスト・グリーン、レッド、ベージュといったカラーが存在し、現在でもミュージシャンはもちろん、コレクターにも人気の高い機種となっています。
1972年にはアップグレード機種としてEP-200Aが登場。カラーバリエーションはブラックとアボカド・グリーンがあり、こちらもカラー・モデルは希少価値が高くなっています。
1978年にはEP-200Aに類似したフォルムのEP-200Bが登場。バッテリーによって駆動し、内部にスピーカーとアンプ回路を持たないこのモデルがWurlitzer Electronic PianoのPortable Modelの最後のモデルとなっています。
Wurlitzer Electronic Piano EP-200 Dark Green
Wurlitzer Electronic Piano EP-200A Avocado Green
次回は、
コンソール・モデル、スピネット・モデルの変遷について語っていきます!