こんにちは!
Wurlys's!スタッフの柳田です。
私はただ今、アメリカはニューヨークにて開催されますAES Showのレポートのために、
New Yorkにきております。
AES Show Reportはこちら↓
http://www.miyaji.co.jp/proaudio/AES2013/
本日も、Vintage Vibeの社長、クリスに変わりまして、
私が皆様を工房ツアーへとご案内いたします!
前編はこちら!
http://miyaji-wurlys.jugem.jp/?eid=333
後編はこちら!
http://miyaji-wurlys.jugem.jp/?eid=334
それでは早速スターとしましょう!
これまで、Vintage Vibe社の社長のクリスに変わりまして、
Vintage Vibe の工房をご案内してきましたが、
彼らには、現在開発中の商品があります!
それが
Vibanet .
Hohner Clavinet を踏襲した、新たなキーボードです。
こちらがHohner Clavinet の中でも代表的な機種 Clavinet D-6です。
このClavinetと呼ばれる楽器は、鍵盤下に張られたエレキギターの弦のようなものをハンマリングすることで発音するキーボードで、
サウンドは Stevie Wonder の代表曲の一つ Superstition のイントロを含めた全編で使用されているサウンド とご説明するのが一番早いかもしれませんね!
現在でもFunkやPopsなどで欠かすことができないサウンドの一つとなっています。
実機は大変貴重な1台となっており、本物のサウンドを手に入れるためにはとても苦労が必要なサウンドなのです。
Wurly's!のストックはこちら
http://www.miyaji.co.jp/Wurlys/item/item_detail.php?a=800116
貴重だからこそ、彼らは現代にこのサウンドを復活させるべく、開発に臨んでいるのです。
開発は工房中央のセクションで行われています。
この写真の左手前に見えているのがClavinetの実物のようです。
彼らはこの実機を参考に様々なパーツの採寸とその配置を計算し、制作を進めています。
このVibanetですが、Tine Pianoと同様にすべてがオリジナルパーツで作成されます。
外装はもちろん、
ピックアップ、鍵盤、それを支える土台など、様々なパーツがお互いに関係し合ってバランスが保たれているのはTine Pianoと同様で、
現在はそれぞれのパーツが絶妙なバランスで保たれるよう、パーツの開発に主に時間を使っているようです。
それでは中身をみていきましょう。
ここからは日本初公開です。
こちらが現在開発中のプロトタイプ。
今年のNAMM SHOWに出店されていたものは内部にClavinetオリジナルのパーツを使用しているものだったようで、
純粋なVintage Vibe社のパーツのみを使用した実機はこれが初めてになります。
鍵盤は彼がによるオリジナルのもの。
Clavinetの鍵盤と全く同じサイズ、寸法で作成されているため、Clavinetとの代用も可能です。
Clavinetの鍵盤といえば、パーツとしてはとても貴重で、交換パーツが手に入らないことが多々あったのですが、
これでこれからのClavinetの修理も安心となります。
ハンマーチップには、彼らが修理用のパーツとして使用しているものをそのまま装着しています。
これにより、本物のClavinetと近いサウンドを実現できます。
注目すべきは、この青色のジェル上のパーツ。
これは Yarm(ヤーン)と呼ばれる 響き止めのパーツです。
Clavinet では網目状に編まれた毛糸が使用されており、響きを押さえる作用をしているのですが、
弦の交換の際にその編まれた毛糸を通すことが非常に難しく、時間と手間を取られていました。
今回のVibanetはこのジェル上のパーツに置き換えることで、そのYarmの問題もすっきりと解消。
響き止めとしての作用も全く問題なく、よりストレスがなくクラビ・サウンドを楽しむことができます。
この発想は長年Clavinetを修理してきた工房ならではのものかもしれませんね。
(ちなみにこの青いYarmは挟み込むのではなく、ジェルの上に置かれる形で弦を張るだけなので、メンテナンスが本当に楽になりました。)
肝心の電気部分はというと・・・
実はまだ空っぽです。
二本存在するピックアップの開発は既に完了しているのですが、
その音を通すプリアンプ部分の開発がまだ途中とのことです。
こちらが開発風景↓
そのため、サウンドを聴くことができませんでした。。。
非常に残念ですが、今月にはその開発も完了して、プロトタイプの組み立ても完了するとのこと。
サウンドのチェックはそれまでお預けですね!
ちょっと残念ですが、楽しみに待ちましょう!
ちなみに現在作成しているプロトタイプは二種類。
一つは奥にある、赤色の縁をしたスタンダードモデル。
もう一つは手前にある、トレモロアームを装着したモデルです。
トレモロアームを装着したモデルの内部はこのようになっており、
アームを上下に動かすことで、弦を止めている部分(ギターでいうところのブリッジです)が軸を中心に回転するように動き、
自在にビブラートをかけることができます。
先日、亡くなられてしまった偉大なキーボーディスト ジョージ・デュークが使用し、
Clavinetにカスタムを施すことで実現した貴重なモデルを再現しようとしているのです!
これもまた、楽しみなネタの一つですね。
彼らは強いこだわりを持った職人ばかりなので、おそらく納得いく1台が出来上がるまでは詳細の発表は皆様にお届けできないのではないかと思いますが・・・
彼らがTine Pianoを完成させたときと同様、私たちにすてきなサウンドを届けてくれることは間違えないのではないでしょうか。
いまからその完成が待ち遠しいです。
ちなみに音は鳴りませんでしたが、鍵盤タッチのチェックだけはしてきました!
鍵盤タッチの感触ですが、
すべて新品のパーツを使用しているため、バネが若干強く、鍵盤に重みと反発を感じました。
ですがこれは新品のバネを使用しているためで、弾いている時間が長くなればなるほど、
プレーヤーの手になじんでいくのではないかと思います。
言い換えれば、
新品のClavinetはこの鍵盤タッチだったのではないでしょうか。
とは言っても、全く違和感を持つこともなく、弾き心地のよい鍵盤でした。
これは、もう既にClavinet同様の鍵盤タッチといっても過言ではないと思います。
期待以上でした。
今年のNAMM SHOWで発表されてから、続報がなくソワソワしていた方もいらっしゃったのではないでしょうか?
ご安心ください!
しっかりと開発は進んでおり、もうすぐゴールが見えている!
と Vintage Vibe 社のクリスはいっていました!
正式な発表が待ち遠しいですね!
以上で Vintae Vibe工房ツアーは終了となります!
皆様、お楽しみいただけましたでしょうか?
次回はNew Yorkからの最終レポート!
キーボード関係を中心としたニューヨークの楽器店を巡っていきたいと思います!
そちらもお楽しみに!
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