今年もTokyo Festival of Modularが6月11日/12日に開催されました。
海外メーカーが直接来日し開発者に直接質問をしたり数々の著名アーティストのライブ、ワークショップ等展示だけでなくモジュラーシンセをたっぷり堪能できるイベントです。




4回目となるTFOM2016は以前までの六本木スーパーデラックスから場所を移し、青山にあるレッドブル・スタジオ・東京で行われました。
前日にはスーパーデラックスで来日メーカーや日本のモジュラープレイヤーのライブイベントがありドープなモジュラーシンセフリークは前日からモジュラーシンセ三昧だったようです。




会場への入り口は極めてシンプルなポスターが貼られていました。



5Fのイベント受付ではTFOMに携わるモジュラーシンセプレイヤーが入れ替わり立ち替わり受付をしていました。
今回のTFOMではモジュラーシンセプレイヤーがスタッフとして各所にいて交流の場にもなっていました。



会場は終始多くの来場者で賑わっていました。
天井から吊るされている照明の傘は全てアンティーク物ということでレッドブルの拘りを感じます。



Wurly's!ブースは会場の角に配置され近くにあったソファーがブースの一部のようになっていました。
それでは展示モジュールをご紹介します。



まずはIntellijelコーナー、Intellijelの独自規格1Uモジュールがマウント可能な4UケースSynthrotekSkiff Boatの2段で構成された内容は
上段が左からシーケンサーのMetropolice、ゲートSEQのustep、デジタルWavetable VCOのShape Shifter、SH-101を元にデザインされたシンセボイスAtlantisの大型モジュールセット
下段がDixie IIPolarisuVCA II等各モジュールをマウントしたThe モジュラーシンセなセットです。



Pittsburgh ModularコーナーはFoundation 3.1+の下段にGame SystemSynthsizer Box、等をマウントしたスペシャルセットとLifeforms Systemを展示しました。
鍵盤型コントローラーモジュールと2VCOのモノシンセボイスで構成されたLifeformsは会場でも人気でした。
隣に置いてあるSynthrotekのコンパクトなPowerLuntch Caseで作られたMono Voice Systemもパッチングをしなければ音が出せないというモジュラーシンセの基本を体験でき初心者の方でも触りやすいシステムです。



同じくSynthrotekのMST 84 Systemです。
PowerLuntchのMono Systemが2OSCになりディレイエフェクトのDLYモジュールが追加されています。
どちらもMID/CVコンバーターモジュールが入っているのでMIDI鍵盤・PCからのMIDIシーケンスでのコントロールが可能です。



イベント時に毎回持っていくお馴染みの黄色いSynthrotekケースにはNoise EngineeringCircuit AbbeyMalekkoAudio Damageをマウントしたセットを持って行きました。
リズム系に特化したセットでドラムの音にエフェクトを掛けたり、人気のデジタル・コンプレックス・オシレーターLoquelic Iteriasの音を聞きに来る方が多かったです。
3種類のアルゴリズムをもつ複雑で個性的な音を作り出すこのモジュールはWurly's!一押しです。



イベント中は多くのお客様に足を止めていただきモジュラーシンセは初めてという方や初心者・上級者・メーカーの方々と色々お話をさせていただきました。
Wurly's!ブースに来ていただきありがとうございました。
上記のモジュール含め店頭では常時モジュラーシンセを展示していますので会場で触れなかった、イベントに行けなかったというかたはお気軽に店頭でお試しください。




お隣はClock Face Modularの展示でした。
大量のモジュラー郡は圧巻です。



世界最速販売のMake Noise 0-Coastも展示されていました。
Make Noise初のデスクトップスタンドアローンシンセの本機は様々なモジュールの要素をコンパクトにまとめたMake Noiseらしさを気軽に体験できるとても良いシンセです。
イベント中に少し音を出して動画を撮ったものをアップしました。



福産起業からの国内流通が楽しみですね。



反対隣は福産起業/Five Gの展示ブースです。
お馴染みの壁展示ですが、会場に設置されていた観葉植物がいい味をだしています。



白衣姿で多種多様なモジュールの説明をされていました。



Wurly's!で販売中のMade In Japanモジュラーメーカー、X-Fade(クロスフェード)Modularも初の出展です。
3種類のラインナップモジュールを親切丁寧な説明パネルと一緒にマウントしての展示がとても見やすく、多くのユーザーの方が製作者のKaz_x氏とお話をされていました。

会場ではKaz_x氏を初め日本のモジュラーシンセ・プレイヤーが参加しているコンピレーションCDの販売もされていました。



さらにモジュールに混じってCVを出力しているところに刺すと光るという「光るプラグ」が大量に並んでおりビカビカと光って展示ブースを賑やかにしていました。



こちらもWurly's!で絶賛販売中のMade In Japanブランド、Hikari Inst.のブースです。
薄型ケースの98HP Caseに自社製品をマウントしてデモンストレーションをされていました。
紫の枝のような物にぶら下がっているのは会場限定販売のHIkariロゴ入りキーホルダーです。



思わずWurly's!スタッフも買ってしまいました 笑 



ナニワのシンセ界で有名な大須賀監督のスタジオねこやなぎブースではおもしろモジュールSystem-Yの設計開発者、米本実氏のオリジナルシンセとモジュラーシンセ会の出前人、よんま氏のおかもちモジュラーシステムが展示され黒電話の音が会場に鳴り響いていました。



ここからは海外勢のご紹介です。
昨年も来日されたイーサネットケーブルでPCとCV/MIDI情報をやり取りするモジュールのAlyseumブースです。
ソフトウェアのバージョンアップで以前よりも安定したシステムが出来上がったとメーカーの方は説明をしてくれました。



Wurly's!取り扱いブランドの一つ、Malekkoブースでは12Uの巨大ケースに様々なモジュールがマウントされていました。
上段のケース縁にはライトが装備されており左上のモジュールで色を調整出来るだけでなく、外部CVでの調整が可能でした。



上段だけの画像がコチラです。
設計・開発を担当するJoshua Holley氏は会場で色々パッチングして来場者に聞かせていました。
もちろん実際に触ったり質問をすると優しく親切に教えてくれました。



Malekkoの新製品AD/LFOは6チャンネルのADエンベロープかLFOとして使えるライブパフォーマンスに最適なモジュールです。



持ってきたシステムをよく見るとNoise Engineeringの新モジュールが入っていました。
話を聞くとJoshua Holley氏はNoise Engineeringのファンで新しいモジュールも素晴らしいと褒めていました。
Basimilus Iteritas Alterは人気のドラムモジュールの新バージョンです。
各CVインプットはプラグを刺すと今までツマミがアッテネーターとして機能していましたが、オフセットとして動作するようになっていました。
音程のレンジが3段階となりSkin,Metalの他にLiquidが追加され新たな音色を作ることができるようになりました。



下段の内容がコチラです。
RolandのSystem-500を中心に組まれていました。
いちばん目を引くのは新シーケンサーモジュールのVarigate 8+です。



スライダーの数が16、Gateトラック8と倍になりさらにCVトラックが2つ追加された巨大SEQです。
トラックごとのミュートやツマミによるテンポ設定、スタート/ストップ等機能面でも大幅に追加があります。
今回持ってきたのはプロトタイプとのことで製品版のリリースが待ち遠しいです。



下段にもNoise engineeringの新作Sinc Iterがありました。
4HPのコンパクトなオシレーターながらBasimils,Loquelicでも強力に音色が変わるFold/Morphツマミでの音の変化が印象的でした。
3種類のモード切替と組み合わせることによりさらに音作りの幅が広がります。

Pitchツマミは押しボタンつきのエンコーダーになっており調節レンジを切り替えることが可能です。
ピッチ変化には12音階と24音階のクオンタイザーも付いており音程のコントロールもしやすかったです。
 Noise engineeringの新製品は夏までには当店にも入荷予定ですので発売をお待ち下さい。



中国のメーカーMeng Qi Musicのブースです。
2HPのパッシブローパスゲートは会場でも購入されている方が多い印象がありました。
その他にもタッチコントローラー・シーケンサーにもなる[Voltage Memory 记忆电压]やバネが4本貼られている[Lines 线]等ユニークなモジュールや独特のパーカッションサウンドを作り出すDegital WaveGuideの[Karp 鲤]が展示されていました。
全て英語と漢字のネーミングになっているところが中国らしいですね。


 

今年はHarvestmanの来日はありませんでしたが、TFOMブースでPolivoks元にデザインされたモジュールで構築されたシステムのIRON CURTAIN SYSTEMが展示・販売されていました。
オレンジのツマミが並んだ統一感がステキです。



他にもTFOMブースでは来日予定がキャンセルとなってしまったMaker.ieとPatchblocksのコラボレーションのモジュールやShockelectronixのMonotronをユーロラックに改造したモジュールが展示されていました。

PatchblockshはPC上のエディターで作成した機能をモジュールに流し込み様々な機能を持たせることができる今時なモジュールです。
宮地楽器でもスタンドアローン版の販売をWebで最近はじめました。



TFOMシャツの横で海外モジュラーシンセ・ドキュメンタリー映画[i dream of wires]の日本語字幕付きショートバージョンDVDが販売されていました。
字幕なしのオリジナルは前編4時間にわたる作品ですが、日本語字幕版は90分に編集されとても見やすい内容になっています。
シンセサイザーの生い立ちからモジュラーシンセの発展・現在の多様化をわかりやすくまとめた作品です。



海外展示ブースに戻ります。
フランスのTouellSkouarnです。
赤いパネルに花のような模様が印象的ですが見た目の可愛さとは裏腹にゲルマニウムトランジスタを使用して凶悪な音を生みファズモジュール[Strakal Brulu ]が有名です。
今回は3ch.プリアンプミキサーの[Sonveskañ]、3VCOのドローンジェネレーター[Skorn da Bask]、BBDリバーブ[Heklev]、ペダル用電源供給モジュール[Stoker Elektrek]が一緒に展示されていました。
ゲルマニウムトランジスターを使ったモジュールが多くどれも個性的なサウンドでした。
BBDリバーブは「BB(a)Dサウンドだぜ!」とデモをしてくれたメーカーの方が言っていました。



2年連続リベリアから出展のErica Synthのブースです。
今回は4つのケースで展示しておりどれも会場で注目を集めていました。



パネルの窓から怪しく光る真空管を使用したfusionシリーズ
全てのモジュールに真空管を使用しておりウォームで心地いいオーバードライブ感のあるサウンドを作り出します。



BlackシリーズのVCO・VCFモジュールはPolivoksを元にデザインされたアナログモジュールと、デジタルの強みを活かしたWavetable OSCやテンポ同期可能で様々な波形を持つLFO等もありました。
Graphic シリーズの視覚的に波形を確認することができるGraphic VCOも魅力的です。
EMSのSynthのように信号の入出力をマトリックス表示されたタッチパネルでエディットできるMatrix Mxerも印象的でした。





そして何よりも注目されていたのが全ての種類が3HPというコンパクトサイズに収められたPicoシリーズです。
42HPのケースに14個のモジュールがつめ込まれておりコンパクトなサイズからは想像できない様々なパッチングが可能でした。



レギュラー参加のSputonik Modularのブースでは一緒にオリジナルのBuchla Music Easelと並べて展示されていました。



見た目の印象は似ていますが、Sputonikのタッチキーボードは4ポリのコントロールが可能となっておりリリース予定のエクスパンションモジュールを追加することにより更に機能が拡張されるそうです。



日本ブランドも負けてはいません。
大阪発祥のシンセメーカーReonブースではDrift Boxシリーズが全モデル展示されており、Moog Modularのクローンが堂々と展示されていました。



RolandブースではSystem-500とAira ModuraのSystem-1mをA-01で試奏できるよう展示されていました。
500シリーズはWurly's!でも全種展示しておりますので、イベントで触れなかった方は是非店頭でお試しください。



KorgブースではminilogueとVolcaシリーズ、そしてKIDでの輸入製品であるMicroBruteとMoog Mother 32が展示されていました。
発売から未だ品薄状態が続いているMother 32は豪華2段での展示でした。



Mother 32をよく見るとここでも光るプラグが賑やかに光っていました 笑



ElektronブースではOctatrack,Analog rytm,Analog FourのBlack TrintyとAnalog Keyが展示されていました。
CV出力を持つAnalog Four/Keyはモジュラーシンセとの連携もしやすくOverbridgeでのPCとの連携も可能です。



MI7ブースでは話題のソフトモジュラーSoftube Modularがいち早く展示されていました。
DoepferとIntellijelのライセンスのモジュールやSoftubeのオリジナルモジュールなど今後の展開が楽しみです。
気になるリリースは来週予定とのことでした。



外が暗くなっても人が減る気配もなくライブを楽しみに待たれている方も大勢いらっしゃいました。



初日の最後にライブ・レクチャーを行ったのは二度目のTFOM参加のRichard Devine氏。

知っている方は多いと思いますが彼は映画やCM等のサウンドデザインを手がける一方、シンセサイザーのプログラミングやオーディオメーカーとの開発も精力的に行い、アーティスト/サウンドデザイナーとして活躍しています。
Dave Smith、Elektron等のプリセット音色も彼が手がけたものが多く存在します。

今回はライブの前に彼のモジュラーシステムについての話や、会場からの質問に答えるレクチャータイムでは一つ一つの質問に丁寧に返答をしてくれて30分以上の時間を掛けてくれました。

今回使用するシステムは2年前に組んだものを原型にしており、彼はパッチしてある状態から演奏するスタイルで日々パッチングを育てています。
マウントしているモジュールを選択した理由は開発から関わったものが多く、自分の要望に沿った使いやすいものが多いからだそうです。

質問者から「どのノブが動いたらどう音が変わるのか見せてほしい」との要望に、彼は「どうぞ、近くに来て見てください〜」と目の前にその質問者を呼び寄せてくれ、そこからライブがスタート。



彼が生み出すランダムを使用した偶発的にも見える楽曲は全て自分のコントロール出来る範囲で使うように心がけていると語っていました。
実際のライブパフォーマンスでは様々な電子音が飛び交い、一見リズムも複雑に聞こえる中にしっかりとした秩序が見出されその秩序の中で場面場面が緩やかに切り替わるモジュラーならではの刹那に生み出される空気感というものをとても感じることができる素晴らしい演奏でした。

毎年出展メーカーや国内代理店が増えていくTFOMは定期的にワークショップを行ったり、配信でのライブ・イベントを行ったりと精力的に活動していますので今後も目が離せません。

Wak


この記事のトラックバックURL
トラックバック