シンセの機能として比較的ポピュラーなSample & Holdについてのお話。
大体の場合S&H=ランダムみたいな扱いをされていますがそれだけじゃないんですよという事を語ります。

Sample & Holdをインターネットで調べてみると「ある信号の値を記憶(サンプル)し、新たな記憶すべき信号が来るまで保持(ホールド)しておくこと。」のように説明されているのを見かけます。


ある信号の値を記憶(サンプル)し、新たに記憶すべき信号が来るまで保持(ホールド)しておくこと。」
サンプルと聞くとサンプラーのような音を録音して再生することを想像する人もいるでしょうが、そんなハイテクなことはしてくれません。
"ある信号の値を記憶"させるんです、値とはモジュラーシンセでいえばCVの電圧になります。

モジュラーシンセでよく使われる信号/ジャックの名前にそれぞれ当てはめると
ある信号の値=Sample Inへ入力されるCV
新たに記憶すべき信号=Hold Inへ入力されるCV(だいたいGateや矩形波)
保持(記憶されたもの)=S&Hのアウト
の3つになります。
参考までにPittsburgh ModularのTool BoxのSample & Hold部分はこんな感じです。

 

文章で説明するより絵を書いたほうが分かりやすいのでS&Hの絵を書きました。

 

この絵が全てですが補足すると、緑の線の三角波が入力したSample,青い線の矩形波がHold Inへ入力した保持するタイミングを決める信号、赤い線がS&Hにより階段状になった出力される信号です。

絵を書く際にマイナス側まで振幅する状態を書くのが辛かったので端折りましたが、もちろんマイナスのCVだって保持します。

 

Hold Inへ入力する信号はGate/矩形波のような2値のオンオフ信号(0V or +5V等)が一般的です。
立ち上がりしか拾わないので下降ノコギリ波でも構いません。

一定の速さのLFOだけでなく鍵盤からのGateやSEQ等のランダムGateを使うとよりトリッキーな挙動になります。

 

よくランダムな信号としてS&Hという名称が使われるのはSample Inへノイズを入力して階段状のランダム信号を作ることが代表的な使い方だったためその名残だと思います。

先程のPittsburgh Modular/Tool Boxもそうですが、ランダムCVを作るためにS&Hにノイズが一緒に搭載されていることが多いです。

 

ランダム以外の使用用途としては、三角波等を階段状にする、ポルタメントを昔のRolandのシンセについていたグリスにする、鍵盤によるデュオフォニック等に利用できます。

Sample & Holdはモジュラーシンセの基本的なモジュールですが凝ったことも色々できるので一つくらい持ってると楽しくておすすめです。

 

もしわからないことがあれば、店頭&メールでお気軽にご質問ください。

 

Wak

 


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