スタッフのヤナギダです。
お送りしております「アナログシンセのいろは」。
第三回は
フィルター編 その1 フィルターの種類とCut Off Frequency
をお送りいたします。
題材となっているYAMAHA CS-15のフィルターのセクションがこちら。
それでは見ていきましょう!
第一回の時に
「音の3原則」にまつわるシンセサイザーの機能の説明を致しました。
今回の「フィルター(Filter)」はその中の「音質」を司る部分です。
コーヒーのフィルターを想像して頂くと分かり易くなるかもしれませんが、
紙フィルターを使ってコーヒーを淹れると、
コーヒーの粉がフィルターに残り、
液体がフィルターを通ってコップへと注がれます。
これと一緒の事をシンセサイザーで行っています。
つまり
フィルターによって
「通過する音」 と 「カットする音」 を選んでいるのです。
この「通過する音」がアンプを通って音声としてスピーカーから出力します。
「通過する音」、「カットする音」とはいかなるものなのか。
それは音の周波数(音の高さ)によって「通過する音」と「カットする音」を決めていきます。
この「通過する音」、「カットする音」の境目を
「カット・オフ・フリケンシ―(Cut Off Frequency)」と呼びます。
(直訳すると“切り落とす周波数”。そのままですよね。)
この「通過する音」を選ぶフィルターですが、大まかに分けて3種類のフィルターが存在します。
〇ハイ・パス・フィルター(HPF)
〇ロー・パス・フィルター(LPF)
〇バンド・パス・フィルター(BPF)
です。
ひとつずつ、その特徴を見ていきましょう。
■ハイ・パス・フィルター(HPF)
このフィルターは
高い音だけを通過させて、低い音をカットする
という特徴を持っています。
このように低音をカットし、カット・オフ・フリケンシ―よりも瓦解周波数の音を通して出力します。
このHPFにもいくつか種類があります。
(こちらのCS-15では切り替えられないのですが…)
この種類分けは「カットする程度」によって分かれており、
6dB、12dB、18dB、24dB と4種類が一般的で、数字が大きくなればなるほど、
カットの仕方もバッサリといきます。
ピンク色の線で縦に走っているのがカット・オフ・フリケンシ―の周波数です。
「cut off freq」のツマミを回すことでこのカット・オフ・フリケンシ―の数値を動かしてフィルターのかかり具合を調整できます。
左に動かす
右に動かす
このように「cut off freq」のツマミを回すことでカットの区切り目になる周波数帯を動かすことが出来ます。
■ロー・パス・フィルター(LPF)
このフィルターはHPFの逆で、
低い音だけを通過させて、高い音をカットする
という特徴を持っています。
このように高音をカットし、カット・オフ・フリケンシ―よりも低い周波数の音を通して出力します。
このLPFもHPF同様、「カットする程度」によって分かれており、
6dB、12dB、18dB、24dB の4種類が存在します。
このフィルターも「cut off freq」のツマミを回すことで区切り目となる周波数帯を動かすことが出来ます。
■バンド・パス・フィルター(BPF)
このフィルターは、今までの二つのフィルターとは違い、
低音、高音 の両方をカットし、
カット・オフ・フリケンシ―付近の周波数のみを出力するフィルターです。
カット・オフ・フリケンシ―の部分を盛り上げるようなフィルターです。
「cut off freq」のツマミを右に回してみると
このように変化していきます。
この3種類のフィルターを、
作りたい音に合わさ得てチョイスして、カットする音域を決めて、
音質を決定していきます。
次回は
フィルター編 その2 レゾナンスと細かな設定
をお送りいたします!
お楽しみに!
- 2014.01.31 Friday
- アナログシンセのいろは